長崎県音楽連盟

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マダム・バタフライ フェスティバル更新情報

パリ、冬物語:続・連続エッセイ③

【2022年01月15日】

先日、イタリア・ルッカからエアメールで年賀状が届きました。差出人はプッチーニおじさん。

「長崎のみなさん、お元気ですか。今年もどうぞよろしく。昨年は私の物語、プッチーニおじさんのマダム・バタフライ物語が子どもたちに好評だったとのこと。日本の私の分身、Pおじさん1号、2号、3号がそれぞれ頑張ってくれたようで、Grazie!。私の物語は、まだまだあります。パリの屋根裏を舞台にした青春物語・ボエームや、ローマが舞台の殺人ミステリー・トスカなども自信作ですので。ではまた。Arrivederci, P ojisanより」

年が変わっても寒い日が続いています。プッチーニが書いたオペラの中で、当時から人気を集め、その収入をもと、田舎風な家を建てることになった「ラ・ボエーム」1896年)。このオペラは、パリの屋根裏が舞台の冬の物語です。そして大事な役割を果たすのが「火」とそして暖炉です。お針子のミミは、ろうそくの灯りを借りにやってきて、ロドルフォと出会います。そして、若き芸術家たちは、食料も薪をお金もなく、ロドルフォが詩を書いた原稿を暖炉に放り込み、暖をとります。エアコンのスイッチを、「ON」にさえすれば、あたたかな風が吹き出し、気が付けば部屋が温まる現代とは大違いです。
今回のコンサートでは、ミミが自己紹介をする「私の名は、ミミ」を、ソプラノの篠暁子さんと、富永宏美さんが熱唱します。プッチーニのアリアの中でも、美しい抒情性をたたえた名曲です。

(堀内伊吹)

G.プッチーニ財団©︎G.プッチーニ財団