音信普通

音信普通その⑤「プッチーニの音、人の声」

 

「プッチーニの音、人の声」

 

文化庁の助成を受け、ながさき音楽祭の一環として、過去4回のマダムバタフライコンクールの入賞者をソリストに迎え、開催されたマダムバタフライコンサート。おかげさまで、無事終了しました。ご出演していただいた皆さま、寒い中ご来場下さったお客さま、時間の無い中で、準備に走り回った関係者の皆さま、ありがとうございました。

海外から4人、日本から2人、と言っても日本のお一人は、海外でご活躍中ですから、海外組は5名になるでしょうか。オペラ歌手にとっては、馴染みの曲ということもあるでしょうが、前日リハーサル、そして当日のゲネプロだけで、ビシッとオーケストラに合わせるのは、さすがにトップクラスの歌い手。聴かれた方は、きっと満足されたことと思います。

それにしても、こうやってガラコンサートのスタイルで、じっくりプッチーニの音楽を聴いてみると、作曲者の表現力、力量が伝わってきます。蝶々さんが登場する時の、あこがれに満ちた音の跳躍と和音の広がり、女声コーラスと蝶々さん、そしてオーケストラのメロディーの見事に絡み合いは、まるであでやかな日本絵巻を見ているような気分になります。さらに、子どもの将来を託して、死を覚悟して歌う最後のアリア。ここでは、深い悲しみと、我が子を思う母親の切ない願いが、オーケストラの厚いサウンドとこれ以上ないであろう重い足取りのメロディーで表現され、涙がこみ上げてきます。

今回の演奏会を語る上で、もうひとつ欠かすことのできないのが人の声です。オペラすべてについて、言えることなのかもしれませんが、特にプッチーニのメロディーをうたいあげるには、圧倒的な人の声なくしては、考えられない気がします。まどろっこしい説明的な要素を排除し、とてもシンプルに、そして素直に人の心に届く声。今回の歴代の入賞者たちの、圧倒的な声に再び出会え、改めて過去4回実施されてきたコンクールの意義とその成果を実感しました。

今回のコンサートで、再確認したこと、それはまさしく「プッチーニの音、人の声」の魅力でした。しかも、その二つが、純粋に芸術的な意味で高い水準を示し、この長崎で今回の演奏会が開催できたことに、もしもオペラの神様がいるとしたら、謙虚に感謝をしたいと思います。みなさま、ありがとうございました。

UTAOTO委員会事務局長 堀内伊吹)

 

【2013/02/21】
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