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マダムバタフライフェスティバル・親子コンサート更新情報

仕込みとバラシ:連続エッセー⑤

 

 舞台や音楽業界用語は、独特なひびきを持つ単語がいくつもありますが、「仕込み」と「バラシ」もそのひとつでしょう。本番に向けての準備全般を意味する「仕込み」。そしてもろもろの後片付けを意味する「バラシ」。しかしこの二つの言葉はその真ん中に、最も大切な「本番」という単語が入ります。

 

 お知らせでもご案内したように、残念ながら今回の「マダム・バタフライ・フェスティバル2021」は、中止となりました。今年に入り、急激なコロナ感染の広がりがあり、仕方ないこととはいえ、やはり悔しい気持ちでいっぱいです。昨年夏前から、いろいろと協議を重ね、演目を決め、参加者を募り、ゲスト出演の依頼を行い、出演していただく方々の日程調整。そしてなんとか作り上げた今回のプログラムです。しかし本番を迎えることなく、昨日決まった中止のお知らせを、出演予定の方みなさんにお詫びとともに連絡。そして公演を楽しみにしてくださっていたであろう市民のみなさんへの告知。なんだか、ずっとパソコンの前に座っている気分です。考えてみれば、昨年の春から、本番を迎えることなく、いわゆる「仕込み」と「バラシ」の日々が続いています。幸い開催できた、いくつかのイベントもありましたが。

 

 この「仕込み」と「バラシ」ですが、なんだか、穀物の収穫に似ている気がします。例えば、お米。春には、丹精込めて田植えを行い、水やりをして、虫取りをしながら秋を迎え、稲刈り、脱穀、精米を経て食卓に白いご飯が届きます。年によっては、干ばつや台風で、思うような収穫が出来ないこともあります。しかし、再び春が訪れると、農家の人びとは、決して諦めることなく、黙々と田植えを行います。今回のフェスティバル、ホールでの本番を迎えることはできませんでしたが、オンラインを活用し、少しでも来年につながるような音楽映像を発信したいと考え、準備に取り掛かりました。そういえば、今日は1月7日。朝ごはんに、七草粥をいただきました。疫病に負けることなく、ちゃんと今年1年が過ごせるように、そして、来年こそはフェスティバルが無事開催できるように祈りながら、おかゆの最後の一粒まで、美味しくいただきました。

 

(UTAOTO委員会 堀内伊吹)

 

【2021/01/07】
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